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1月08日(日)

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楽道庵

【完売御礼】マンハッタン翁2023【主催公演】

富にも幸にも恵まれず、貧しく孤独な生涯を終えた老いたる人は、マンハッタンを祝福する天の翁となった。 新年にふさわしい祝祭能です。 ■原作・脚本・主演:桜井真樹子 ●キャスト /スタッフ シテ「翁」:桜井真樹子 ワキ「花の精」アイ:吉松章 声明:山口裕加奈 面箱・地謡:吉田正子 能管・篠笛:金子弘美 小鼓:望月太左衛 面:北澤秀太 デザイン:Diminish Design Partners 制作・運営:マリプラ

主催者、出演者へご連絡ください。
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【完売御礼】マンハッタン翁2023【主催公演】
【完売御礼】マンハッタン翁2023【主催公演】

日時・場所

2023年1月08日 16:30

楽道庵, 東京都千代田区神田司町2丁目16

公演について

●ご挨拶

2023年も新年8日に「マンハッタン翁」をひらく運びとなりました。この作品は、1993年にニューヨークに留学し2006年に試演を行い、2007年より舞台に上げて、毎年公演を重ね、今年で17回目を迎えようとしています。 確かに、17年前は、マンハッタンに住む移民の人々の物語でした。しかし、今日本は2021年の時点で、在留外国人252万人、外国人労働者は172万人という移民大国となりました。

「異国の人々と共に生きる」という意識が、まだ日本人の中に育っていないのでしょう。日本人の心理は、彼らを「他所者(よそもの)」として見つめ、昨今の日本の入国管理局の対応にも繋がっているのでしょう。

「物質的に」貧しい人にこそ、精霊が近づき、声をかける。彼らこそが、見えなくなってゆく彼らの故国の祖先や太古の空間を、現在に甦らせる。この地の精霊信仰が、芸能を生み出しているのです。

能という舞台は、勝者の物語ではなく、社会に押しつぶされた名もなき敗者の魂が、主人公(シテ)となり、私たちに語かけます。

翁の言祝ぎにより、良き一年となりますよう、新たなる年のはじめに心より祈念し、公演させて頂きます。

桜井真樹子

●作品について

この作品は、ニューヨーク・マンハッタンに住む、ヒスパニック系、日系、アフリカ系の三人の老人が、死を迎えるときから物語は始まります。彼らは、故国から離れ、マンハッタンに移り住み、そこで貧しく孤独に、亡くなってゆくとき、「花の精」に出会い、天の国へと向かいます。天の国は、三人の老人を迎え入れ、マンハッタンに翁が生まれたことを祝福し、吉祥が訪れます。

●翁について

儀礼から芸能へ、創作の形式を求めて、フィールド・ワークを続けました。「翁」は日本における芸能の根源でしょう。人びとの救済は、ムラ組織の命題であり、その力は、救済の必要とした多くの人の命が、老木の年輪のように積み重なることにより、「翁」という精霊の「カミ」となって象徴されるようになりました。「翁」を演じる者は、ムラの命題を「カミ」に届ける代表者であり、その人こそ、すべて人びとの重荷を背負い、その救いのためにもっとも強い祈りの力を持った者だったのでしょう。

●ジョージ・ユザワ氏について

2005年の秋、マンハッタンの日系人会で「マンハッタンの翁は誰ですか?」と尋ねたときに、紹介されたのがジョージ・ユザワ氏でした。彼の両親は長野県出身。カリフォルニアに移民として、カリフォルニア米の栽培で成功したものの、第二次世界大戦中、突然バンク・オブ・アメリカから一切の金融取引が停止され、ほとんどの日系人と同じく、土地、財産を失うことになります。サンタフェの日系人強制収容所時代を経て、ニュージャージーの米軍用の缶詰工場で多くの日系人が労働者として受け入れられ、そのまま戦後を迎え、ユザワ氏も日系人の共同体がそうであったように、東海岸へと移りました。ユザワ氏は、花屋として成功を収め、多くの日系人の相談役となりました。戦後、日本へ食糧危機の援助のために、食料を次々に船で輸送する日系人の活動の中心となりました。またアメリカで、日本人の作ったものは、すべて「黒縁メガネをかけ、カナヅチを持った日本男性の絵」とともに「made  by  Japanese」というロゴを製品の標示に義務化されているアメリカ政府の政策に、それは「差別」であると、民事訴訟を起こし、勝訴を勝ち取りました。ユザワ氏は、これらの日系人社会の貢献によって、人びとから「翁」と言われるにふさわしい人でした。彼が、故国の戦後の日本人を助け、また日本人の誇りをアメリカから取り戻してくれたことに、改めて、敬意を表したいと思います。

●面について

面は面打ち師の北澤秀太氏との共同製作によって作られました。まず、私が老人のイメージする写真を提供し、そこから北澤氏が面を打っていきました。

ヒスパニックの翁の面は、スティーヴ・マカリー(Steve   McCurry)による「ファイドン(PHAIDON)」という写真集のアフガニスタンの老人から。1979年、アフガニスタンのムリスタン(Muristan)というところで、ソビエトの侵入に対して、武装蜂起した多くの兵士たちの前に出て、彼は戦いの前に祈りを捧げてしました。

日系の翁の面は、ツィロム・ジョージ・シーガル(Tzilom  George  Sigal)による「第一世代」というイスラエルの建国当時に入植したイスラエルの老人たちの写真集から。彼は、イスラエル建国前の1935年から入植した1910年生まれのロシア系の老人で、ガリラヤ湖周辺で畑を作っていました。

アフリカンの翁の面は、ポール・スタンダード(Paul Strand)による「ガーナ(GHANA)」という写真集のガーナの老人です。アメリカ人によるアフリカへの見直しが始められた1960年代に撮られました。

●あらすじ <序>

花の精は、老人たちのもとに訪ねてきます。

第一幕

マンハッタンのイースト・リバーに住むヒスパニックの老人。彼は幼いころリオ・グランデ川を泳いでこの国にやってきました。彼の両親は、ほどなく亡くなりましたが、彼は両親の分も長生きしました。今年も春が訪れて、空き地に咲いた白菊の花を見たとき、これが最後の春かもしれないと思いました。

すると白菊の精が、老人に語りかけます。「私をいつも愛でてくれた人。あなたが最期を迎えるとき、私たちは、あなたの台(うてな)となって、天の国へとお連れしましょう。」

第二幕

マンハッタンの北、病床に伏せる日系の老人。両親は、日本からこの国の西海岸へと渡り、ともに田を耕して、米を作りました。しかし、第二次世界大戦中に、土地を奪われ、戦後は東海岸へ移り住みました。家族を持ち、ともに再び働く日々を過ごしますが、妻も子も先立ちました。

窓を眺めると桜の花が咲いています。桜の花咲くころは、日本のもっとも美しい日。すると桜の精が、老人に語りかけます。「私たちもあなたの故国からやってきました。私たちは、今こそ、あなたの羽と翼となって、天の国へ旅立ちましょう。」

第三幕

マンハッタンのハーレムの慈善病院で、今まさに息を引き取ろうとしているアフリカ系の老人。彼の先祖は、アフリカ大陸から動物を捕獲するようにして捉えられ、船に積まれて、この国の奴隷として働きました。奴隷解放、公民権運動を経ても、貧しさと、犯罪から逃れることはできませんでした。家族も友も、人生の半ばで命を落としましたが、彼は、その分まで長生きしました。しかし、今、息もかすかに、目は閉じたまま、口にするものも、何もなくなりました。そこにアフリカ大陸で咲く、赤い百合の花が香ってきました。「私は、あなたの故郷の大陸で、生き物も眠る真夜中に訪れる百合の精です。私の香りについてゆけば、あらゆる生き物が楽しく暮らせる楽園にたどり着きます。今、私たちは、あなたの乗る香りの舟となって、天に向かって、漕ぎ出しましょう。」

第四幕

天の国では、マンハッタンに住む三人の老人たちを迎え、喜びに輝いています。白菊の花は咲き誇り、桜の花は舞い散り、百合の香りが漂っています。

三人の老人は天の国で初めて出会います。三人の老人たちは、花の精に尋ねます。故国を離れて、マンハッタンに生き、なぜ貧しく、孤独のうちに生涯を閉じなければならなかったのか?と。花の精は答えます。「この都には、貧しく、孤独な人びとがたくさんいます。その人たちを祝福する翁が、今、マンハッタンに生まれました。なんとめでたいことでしょう」。天の国で、三人の老人は翁となり、マンハッタンに吉祥が訪れます。

マンハッタン翁2023

https://www.mari-pla.me/manhattan-okina2023

スケジュール


  • 1 時間 30 分

    マンハッタン翁2023

    楽道庵

チケット詳細

  • マンハッタン翁2023

    ¥3,000
    手数料 +¥75
    販売終了

合計

¥0

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